7日

去年の暮れに訪れた小学校で先生が仰いました。
二度目のアンコールが鳴り止まなかった時のことです。

「さみしいけれど、楽しい時間には必ず終わりが来ます。
この楽しかった思い出を胸に、明日からまた皆笑顔で元気に過ごしましょう。」

この言葉が心に沁みることがありました。
楽しかった気持ちも、そこに咲いた笑顔も、目があってにっこり通じた喜びも全て私の中に残っているということ。
全てが宝物になるということ。
寂しい気持ちが強い程、それまでが本物だった証拠だということ。
皆が寂しいって言うたびに、「大丈夫だよ皆の中にちゃんと残ってるよ」と思いました。私の中にも残っています。


さて、なんの話かと申しますと、私が関わっていたあるお仕事のお話です。
「エンターテイメント」を大切にしたくて、残念ながらこの日記にも直接的には登場しなかったお仕事でしたが、私は2014年からテーマパークのヴァイオリンショーに携わっておりました。(それでも偶に間接的に書いておりましたし、きっとお気付きの方もおられましたでしょう。)

そして今日は千秋楽でした。
フリーランスの私にとって初めての長期チームプレー。仲間。
正直終わりが来るなんて思ってもみませんでした。
着実に時は進み年も明けたのに、何故か永遠に続くような、そんな気持ちの中で地に足つかない変な感覚の年始を過ごしていました。

体力の無い私にとって、この経験は避けてきた自分の身体と向き合う機会でもありました。
暑い夏の日も今日のような寒い冬も、絶対に万全の体調で居続ける事。自分の身体を知る事。
私にとって全てが難関でした。リハーサルでは明らかに一人だけバテバテで、ダブルキャストの相方さんとのあまりの差に愕然とし、私なんかではこの役は務まらないと挫けそうにもなりました。

そんな私が最後までやり遂げることができたのは全て周りの皆さんのおかげでした。
気持ちよく居られるよう細やかに気を使い、優しく時に厳しくいつも側で支えてくださるスタッフの皆さん。

素晴らしい音を作ってくださるサウンドテックの皆さん。

私の身体をいつも心配しながら、どの瞬間も楽しく居られるよう常に笑わせてくれた共演のPさん。
(一番敏感に周りに気を遣える人なのです。)

親友になるのに言葉がいらないことを身を以て教えてくれたEさん。
(同世代でいつも一緒だった彼。たくさん救われました。もはや彼とは日本語と英語で問題なく会話が続きます。私達の会話に周りはいつも「?」です笑。自分でもどうして通じるのか謎です。)

会えないけれど本当のお姉ちゃんの様に優しくて、いつも同じ目線に立ち、共に支え合うことができたダブルキャストのゆりさん。
(いつも手紙で交流していました。←この時代に手紙笑。手紙好きなのです。優しくて美しくて強くて素敵で暖かくて。会えないのにいつも側に感じていました。)

そして、どんな時も最高の笑顔で私達を迎えてくれる大好きなお客さん。
(暑い日も寒い日も、変わらぬ笑顔をありがとう。私が元気を与えたい思いでいるのに、いつも頂いてばかりでした。)

全て皆のおかげ。
感謝しきれません。

ショーの中で「一緒に盛り上げてくれてありがとう」という部分があるのですが、私にとってただの台詞ではなく本当に心からそう思えて発信しておりました。

ありがとう。ありがとう。
堪らなくそう思いました。

私たちキャストは全員揃いも揃って自由人で、何かしらやらかしてはスタッフさんによく怒られておりました。←子供か。
楽譜通りに弾かないし、可愛いじゃん!とピアスや髪型を変えたり。(ネイルは初めにOK取り付けた!)
思い返しても、本当に自由でいさせて頂きました。 
しかしそのおかげで心から笑い、心から楽しみ、私達のショーにはひとつも偽りがありませんでした。

そんなショーの千秋楽。
最後の最後、お正月休みもとっくに終わった平日。クリスマスも終わった今日なのに信じられないほどたくさんの方々がいました。
そこにいるみんなの顔を見ると、この人達を笑顔にしたい、その想いひとつでやってきて良かったと思えました。

皆への恩返し、最後に皆を一番最高の笑顔にしようと考えた結果、またも色んなことをやらかしてしまいました。皆本当に笑ってくれていた気がしました。(母氏が動画を撮ってくれていたのですがアップの仕方が分からない。して良いのかも知らない。笑)
こんな前代未聞の計画を2つも聞いてくれたスタッフさんには心から感謝しないではいられません。
笑顔で、「こんなのどーってことないです。間違いなく皆が幸せだったんですから。」という彼女を思わず抱きしめてしまいました。
ごめんね。ありがとう。ありがとう。
その場の皆が一番ハッピーになれる方法を彼等は知っている。そう確信しました。スタッフさん達こそ、真のエンターテイナーですね。
そしてこのような本物のエンターテイメントの一端を私も担えたことが本当に誇らしいです。


私はもっと大きくならなければいけない。
皆に恩返しをしなければいけない。
未来はまだまだ険しいです。



……とまあ、ここまでダラダラと綴ってしまいました。
これまで日記に登場しなかった件を長々と綴り、ご覧になったことの無い方には申し訳ありません。
やはり私の2014年の活動として、皆様に知っていただきたく綴りました。
過酷なお仕事です。良いことばかりじゃ無かった。特に自身の活動も通常で続けていた私にとって。けれど、この経験は宝物です。

この経験を糧にして、自身のライブでももっともっと笑顔になれる音楽を皆様にお届けしていきたいと思っています。
これからもよろしくお願い致します♩

出会ってくださった全ての皆様が、健やかに楽しく幸せになれますよう願いを込めて。


この10ヶ月を、私は絶対忘れない。
皆元気でね。
2014-2015.1.7 
NAO